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いつもポケットにショパン [本]

いつもポケットにショパン (1) (集英社文庫―コミック版)

いつもポケットにショパン (1) (集英社文庫―コミック版)

  • 作者: くらもち ふさこ
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1995/09
  • メディア: 文庫

ふと読みたくなって「いつもポケットにショパン」の文庫版を購入。
つい夢中になって読みふけってしまった。

最近の作品は知らないけど、くらもちふさこに登場する主人公の男の子が「無愛想で一見何を考えているかわからないけど実はヒロインに優し」くて、ヒロインが勝手にハラハラドキドキするという設定が好きだった。
「いつもポケットにショパン」では「季晋ちゃん」が主人公の麻子を敵視するので、以前は苦手だったのです。
でも、今読むと、むしろその葛藤ゆえに「季晋ちゃん」のキャラに深みを感じるので、これは自分が大人になったということであろうか。
それと昔は愛子・麻子の母娘に対する季晋ちゃんの母の憎悪があまりに極端に思えて、「現実にはこんな奴いないよ」と思っていたのが、自分自身が少し世の中を知って「こういう人もいるかもしれない」と思うようになった、というのもある。
「雪の女王」のカイになぞらえられている「季晋ちゃん」の凍った心が、麻子の不意打ちのような感情の表出によって少しずつゆらいでいくところがいい。
麻子の母(有名ピアニスト)が生活の中のリズムの大切さを語る公開レッスンも好きな場面。

最近は人気漫画のドラマ化が相次いでいるけれど、もともとはマンガのドラマ化や映画化自体には反対ではなく、原作と映像作品は別物と考えて見るほうです。
作品としてダメなのは論外ですが。
生身の俳優の魅力とか、風景、音、質感など、マンガでは表現できないものもあるし、ストーリーは面白くても絵が雑なマンガの場合は、むしろドラマや映画になったほうが見やすくていい。
でも、「いつもポケットにショパン」及び前後に描かれたくらもちふさこ作品は映画化・ドラマ化を望まない。むしろドラマ化してほしくない。
ドラマ化するには描写が繊細すぎるし、行間が多いし、絵の完成度も高すぎる。
とかく絵に思い入れのある漫画は、実写で誰が演じても不満が残るもので、「季晋ちゃん」も「蘭丸団の佐藤ちゃん」も「ちいちゃん」も二次元だからいいんだと思う。

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蝉時雨のやむ頃~海街Diary [本]

海街diary 1 (1)

海街diary 1 (1)

  • 作者: 吉田 秋生
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2007/04/26
  • メディア: コミック

鎌倉の古い家に住む四姉妹が主人公。
しみじみして、笑えて、そしてグッとくる物語です。
これを読んで、久しぶりに鎌倉に行きたくなった。

過去に読んだ吉田秋生の作品は、大人の都合に振り回されて「自分も早く大人になりたい」という子どもたちが出てくることが多くて、それはそれで「描かれるべきテーマ」だったのだと思う。
でも、この作品の中で、中学生の「すず」が、腹違いの姉たちに引き取られて次第に子どもらしさを取り戻していく過程にはホッとしてしまう。

「海街Diary」は「ラヴァーズキス」ともリンクしていて、藤井朋章が登場する。
「ラヴァーズキス」は10年以上前の作品だけど、「海街Diary」の朋章はそれよりもやや若く、携帯電話が使われていることから、この作品の舞台は最近・・・ということで、パラレルワールドの朋章なのだと理解することにしました。
「ラヴァーズキス」の朋章は少年というよりは青年で、ちょっと高校生に見えなかったけど、この作品では少年らしい容姿になっていて、そこも好きなところです。
吉田秋生の描く男の子は昔からとても好きなのだけど、これまでは少しずつツボを外されていたのが、この朋章は直球ど真ん中、という感じ。
相変わらず、学生服の描き方もイイ!
このシルエットですよ。
「ラヴァーズキス」で鷺沢くんに「荒んでいる」と語られていた過去の朋章が、明るさを取り戻していく途中にあるのが、この「海街Diary」なのかな、などと思ったりした。

お昼休みに読んでいて、不覚にも涙目になってしまった。
人前ではなく自室でじっくり味わうべき本だと思う。


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